8月には”ワンダーウーマン”、11月には”ジャスティス・リーグ”が公開され2017年は勝負の年となるDCですがそのキーマンとなるDCエンターテインメント&ワーナー・ブラザース コンシューマー・プロダクツ社長のダイアン・ネルソンが3月に来日しました。
DCのキーマンが語るDCの今後の展開について語ってくれた。
Q:映画を成功に導くものには、原作、脚本、俳優、監督、マーケティングなどいろいろな要素があるかと思います。ダイアンさんがヒット作を生み出すうえで一番欠かせないと思っているものはなんでしょう?
ネルソン
映画全般でいえば、やはり監督のビジョンが非常に重要です。もちろんクリエーティブなビジョンは監督一人で作り上げるものではなくて、多くのスタッフの力を要します。プロダクションデザイナーが世界観を作り上げ、脚本家が言葉を編み出していくわけですね。ただそれらすべてをまとめ上げるのは監督の仕事。監督はまずリーダーとして良いチームを作り上げ、ビジョンやストーリーをチームに向けてしっかり語らなければならないんです。とはいえ、監督がどれほど良くても、映画は一人では作れません。
Q:コミックの実写化を多数手がけていますが、日本では人気作であればあるほど、コミックの実写化が決まった途端、インターネットを中心に炎上騒ぎが起こります。米国ではどうでしょうか。
ネルソン
まったく同じですね! そうした意見にはいつも圧倒されますが、“炎上”は決して良い方向に進みません。ファンの方々をリスペクトする気持ちはあっても、ファンの意見を一つひとつ聞いているときりがなく、製作者の身動きが取れなくなる。だから、ファンの「ああしろ、こうしろ」という意見には耳を貸さないように、タレントにも話しています。
Q:『ジャスティス・リーグ』を展開していくうえで重要だと思うのは何でしょうか。
ネルソン
例えば『ハリー・ポッター』の場合だと、原作以外の展開がほとんどないので、本のファンが愛している部分を尊重しなければなりませんでした。
一方、『ジャスティス・リーグ』の場合、キャラクターがたくさんいる分、多くのストーリーがありますし、新しいキャラクターが登場することもあります。その分、さまざまな方向に伸ばしたり変えたりする自由があるといえるでしょう。例えばスーパーマンやワンダーウーマンというキャラクターを考えても、核になる部分さえ維持すれば、俳優が代わろうと、ストーリーが変わろうと、ファンに受け入れられると思いますし、ある意味、遊べる。そうしたいろいろな可能性を秘めていることは、重要だと思っています。
Q:あなたがヒット作を生み出すうえで、一番大事にしていることとはなんでしょう。
ネルソン
やはりストーリーに誰もが引き込まれるような面白さがあるかどうか、キャラクターがリアルで共感できるかどうかでしょうね。そうした要素があって、それをうまく引き出せればヒットにつながると考えています。満足するお答えにはならないかもしれませんが(笑)、この問いはそんなに簡単には説明できるようなことではないので!
コミックの実写化には必ず賛否が生じますがそのすべてに耳を傾けていては何もできない。・・力強いお言葉です!
ソース:日経トレンディ